建設業界を知る—Vol.2 建設業には29種類の工種がある

今回は ” 建設業界を知ろう—Vol.2 建設業には29種類の工種がある” です。  

以外と身近にある建設業界ですが、その仕組みなどはとても複雑で特殊な産業です。

この連載では、建設業の実態であったり、しくみについて紹介いきます。

 

建設業は専門の工種ごとに細分化されている

 

建設業の仕事は大きくわけて 土木工事業 と 建設工事業 に分けられる

それぞれに土木一式工事建築一式工事と一式工事というものがある。

これについては勘違いしやすいので正しく理解しておく事が必要です。

また、建設業の許可を取得するにあたり自分の営業する業種ごとに取得する必要があるのでよく確認しておく事が重要です。

建設業には28業種と平成28年6月1日に法改正により新設された解体工事業が追加され29業種となっています。

それぞれを見ていきましょう。

 

1.土木一式工事業

 

総合的な企画、指導のもと土木工作物を建設する工事とされています。

この工事を行うのは主に土木会社と呼ばれ、道路や橋などの土木構造物全体を総合的に管理して作りあげる元請としてが多い。この下請けとして行う業種は「左官工事」「とび・土工」「石工事」「舗装工事」「管工事」「水道工事」などがある。

 

2.建築一式工事業

 

総合的な企画、指導のもと建築物を建設する工事とされています。

建築工事の場合も土木と同じように建築会社と呼ばれる建設会社が工事を総合管理し、建築物の建設を行う。

下請けとしては「大工」「左官」「とび・土工」「屋根」「電気」「水道」「鉄筋」「塗装」「ガラス」「内装仕上」「機械設備」「建具」などの専門工事がある。

 

3.大工工事業

 

木材の加工等で工作物を築造する工事を指す。

主に家を建てる大工さんや、その他にもコンクリートの型枠を組み立てる型枠大工などがある。

 

4.左官工事業

 

左官工がおこなう工事

工作物への壁土、モルタルなどのコテ塗り、日本壁塗り、プラスター塗り、吹き付けなどをする。一般的には仕上げの表面仕上げ塗り工事全般の事をいう。

 

5.とび・土工工事業

 

足場の組み立て、建設資材など重量物の運搬、鉄骨等の組み立て、工作物の解体など。

杭打ち、くい抜き及び場所打ぐい。土砂等の掘削、盛上げ、締め固めなど。

コンクリートによる工作物の築造。

その他基礎ないしは準備工事。

 

6.石工事業

 

石材等の加工等による工作物の築造に採用される組積工事、壁や床などの仕上げをする貼付け工事などに分類される。

 

7.屋根工事業

 

瓦、スレート、金属薄板等の材料による屋根葺き工事。屋根の防水処理や軒周りの雨じまいなども含まれる。

 

8.電気工事業

 

発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等の設置工事。

電気工事と電気通信工事とは工種が分かれているので注意が必要です。

 

9.管工事業

 

空調、給排水等の設備の設置、水、ガス等の送配設備の設置。

水道管やガス管の配管工事や空調設備のダクトなどです。

 

10.タイル・レンガ・ブロック工事業

 

レンガ、コンクリートブロック等による工作物の築造。

コンクリートブロック積み工事、レンガ積み工事、タイル張り工事、外壁にスレート板を張り付ける工事も含む。

 

11.鋼構造物工事業

 

鋼材の加工または組み立てによる構造物の築造する工事。

鉄骨の製作、加工から組み立てまでを一貫して請け負うのが鋼構造物工事における鉄骨工事になる。

 

12.鉄骨工事業

 

棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、または組み立てる工事についてこの事業区分とされる。

 

13.舗装工事業

 

道路等の地盤面をアスファルト等による舗装。

コンクリートや砂利、砕石等による舗装も含まれ、舗装と共に施工されるガードレールについては「とび・土工・コンクリート工事」にあてはまります。

 

14.しゅんせつ工事業

 

河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事。

しゅんせつとは、河川の水深を深くするため、水底の土砂などを取り除くこと。

 

15.板金工事業

 

金属薄板等を加工して工作物への取り付ける工事。

 

16.ガラス工事業

 

工作物にガラスを加工しての取り付けする工事。

 

17.塗装工事業

 

塗料、塗装材等の工作物への吹付け、塗付け、または貼付けする工事。

 

18.防水工事業

 

アスファルト、モルタル、シーリング材等による防水

主に建築系の防水工事でウレタン防水やゴムシートなどのシート防水などもあります。

 

19.内装仕上工事業

 

木材、石膏ボード、壁紙、たたみ、カーペット等での内装仕上げ。

建築物の内装の仕上全般の工事を行います。

 

20.機械器具設置工事業

 

機械器具の組立て等による工作物の建設、機械器具の取付け。

広く機械器具類の設置に関する工事が含まれます。

 

21.熱絶縁工事業

 

工作物または工作物の設備の熱絶縁する工事。

 

22.電気通信工事業

 

有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設置、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事。

 

23.造園工事業

 

整地、樹木の植栽等により庭園、公園、緑地等の築造する工事

道路や建築物などを緑化し、植生を復元する工事などです。

 

24.さく井工事業

 

さく井機械等を用いてさく孔、さく井する工事。

地下水を汲みあげる為の井戸、地下水の水質を調査、観測するための井戸などを掘削する工事などです。

 

25.建具工事業

 

工作物に木製または金属製の建具等の取付。

自動ドアの取付やサッシュ取付、シャッター取付、ふすま取付工事などです。

 

26.水道施設工事業

 

上水道、工業用水道等のための施設を築造する工事など。

 

27.消防施設工事業

 

火災警報設備、消火設備、避難設備等の設置などの工事

 

28.清掃施設工事業

 

し尿処理施設またはゴミ処理施設の設置工事

 

29.解体工事業

 

平成28年6月から新たに追加されました。

建物の取り壊し工事。建て替えまたは新築工事の際、既存の建物を取り壊し撤去する工事。

 

建設業は専門的な分野ごとに分かれている

 

このように建設業には様々な業種ごとに分かれています。

一般的にはその業種での専門会社として営業されている事がほとんどですので、

これから建設業で働くことににご興味のある方は是非ご自身の気になった業種を調べて見てください。

そしてその分野でのプロとして成長して行く事を願っております。

 

また、各業種で事業を行う方は建設業の許可を取得する際に業種ごとに分けられるので必ずご確認ください。

建設業の許可については別で説明いたします。

許可を取得しなくても事業はできますが、請負契約の金額などに制限があります。これから会社を大きくしたり、取引先との関係をつづけていく為にも検討してみてはいかがでしょうか。